生活習慣病とは

生活習慣病のイメージ写真

生活習慣病は、不摂生な生活習慣を続けていることが原因となって発症する病気の総称です。代表的な生活習慣病には、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあります。これらの病気は、発症初期では自覚症状がほとんど現れません。そのため、症状を進行させやすく、動脈硬化を進行させ、気づいた時には手遅れになっているケースが少なくないのです。放置していると、糖尿病三大合併症などの症状が現れ、失明や人工透析の原因ともなります。心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、脳卒中(脳梗塞や脳出血)によって死亡原因となることもあります。

お早めに当院をご受診ください

生活習慣病は症状がなかなか出ないため、手遅れになりやすい病気ではありますが、日頃より定期的に健康診断を受けておけば、早めに治療や予防を開始できます。血液検査での脂質や血糖値の異常、血圧測定で血圧が高かったときは、自覚症状がなくても速やかに当院をご受診ください。

主な生活習慣病

糖尿病

糖尿病は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度が慢性的に高くなる病気です。そもそもブドウ糖は細胞に取り入れられるなどしてエネルギー源となるものであり、体にとって必要です。しかし、ブドウ糖がきちんと働くためには、膵臓から分泌されるホルモンの一種インスリンが必要となります、このインスリンの働きが何らかの原因によって行われなくなると、食事によって上昇した血糖値が下がらなくなります。これが糖尿病です。

なお、糖尿病は自覚症状が現れにくいと言われていますが、ある程度まで進行すると異常に喉が渇く、頻尿・多尿、体重が減少する、疲れやすいといった症状がみられるようになります。これらの症状に心当たりのある方は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

高血圧症

心臓から血管に血液が送られる時に血管壁にかかる圧力のことを「血圧」と呼んでいます。高血圧症は、この血圧が慢性的に高くなっているときに診断されます。具体的には、外来にて複数回の血圧測定を行い、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合です。

なお、このように血圧が高くなったとしても、初期の段階ではほとんど自覚症状を感じることはありません。そのため、健康診断などで血圧が高いと指摘されても、積極的に治療や予防に取り組まない患者さまが少なくないようです。しかし、血管壁には余分な負荷がかかり続けているので、段々と血管は損傷していきます。さらにその圧に耐えるべく硬直化するので、柔軟性は失われ、動脈硬化を進行させてしまいます。それでも医療機関を受診せずに放置していると、脳卒中や心筋梗塞などを重篤な合併症を発症させるようになります。

脂質異常症(高脂血症)

血液中には様々なコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸などが含まれています。このうちLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が基準値を超えて過剰な状態にある、あるいはHDL(善玉)コレステロールが基準値よりも少ない場合は「脂質異常症」と診断されます。この中でもLDLコレステロールは動脈硬化との関連が深く、放置していると狭心症や心筋梗塞、脳卒中など重篤な合併症を引き起こすこともあります。他の多くの生活習慣病と同様、初期の段階ではほとんど自覚症状が見られませんが、最終的には生命にも関わりますので、お早めの受診をお勧めいたします。

高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高くなる病気です。少し増えただけならば特段の問題を引き起こしませんが、尿酸は水に溶けにくい性質があるので、これが過多になると針状の結晶が作られ、関節付近に留まるようになります。なかでも足の親指の付け根付近に蓄積しやすく、この針状の結晶が降りると激しい痛みを伴う炎症発作が起こります。これが「痛風」です。

強い痛みがあるので、医療機関を受診される方も多いのですが、痛みを我慢している方もいらっしゃるようです。その場合、数日ほどで痛みが治まりますが、もちろん高尿酸血症が治癒したわけではありません。尿酸値が高い状態を改善しない限り、再び痛風発作を引き起こしてしまいます。さらに、脳血管障害や心疾患、腎障害、尿路結石といった病気の原因ともなるので、生活習慣を改善し、医療機関でお薬を処方してもらうようにしましょう。